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委員会

第3回 関西のインフラ強化を進める会 開催日:H29.12.12(火) 開催場所:ホテル プリムローズ

議事
1. 基調説明
「関西における交通ネットワーク整備とこれからの拠点整備について」
角 和夫 氏(阪急阪神ホールディングス 代表取締役会長)
2. 意見交換「京阪神地域のまちづくり」

2. 意見交換「京阪神地域のまちづくり」PDF(230KB)

1. 港湾管理者の一元化・物流コストの低減
  • 空港はよくなり、ようやく都市高速料金も一元化された。残りは港湾。大阪港はコンテナ料を安くするなどして、物流のコストダウンを計る必要がある。そのためには、ぜひ港湾の一体運営をやっていただきたい。
  • 港湾については、経済界のほうから物流コスト低減について声をあげてほしい。
2. 都市交通の民営化
  • 大阪の地下鉄が民営化される。そのインパクトを活かしていく方策が必要である。
  • 地下鉄の民営化は大きな意味がある。公務員は年功序列賃金体制で、民間の昇級賃金体制とは異なる。
    民営化の一番大きな点は、そこで働く方が民間人になるということである。
3. 情報発信
  • 今の元気な関西の状況を再三再四発信し、「大阪に来れば元気になる」「大阪にくれば儲かる」といった雰囲気作りが必要。そうすることで更に、大阪が日本の一翼を担える流れができると思う。
  • 海外からの観光客のニーズが細かくなっている。そこで日本の文化を非常に細かいところまで紹介するような海外メディアを育て、関西の文化や観光の魅力を海外にいるメディアが紹介するような仕組みができればおもしろい。
  • 関西観光本部が今年4月から正式に発足し、海外のメディアに訴えていくような取り組みをしている、弱点は予算。京都では宿泊税収入をきちっと納めたら40億を超えるという話。例えば、観光で連携しようという府県が全部宿泊税を取り、宿泊者数に応じた何らかの拠出方法を決め、それをひもつきで観光のことに使って良いというような財源措置ができないか。
4. 新大阪の土地利用
  • 新大阪だけは30年間変わっていない。リニアをきっかけに大転換し、また大阪の核になるべきである。
  • 福岡にはIPOを目指す方が多い。九州の首都は福岡ということで心ある若者が集まってきていると思う。
    大阪にはベンチャーを目指すような方が共同で使えるオフィスをつくったりしているが、なかなかベンチャーが生まれてこない。新大阪にはベンチャーを目指す若者が集り、情報が交流できるような場ができればと思う。
5. 民活・コンセッション
  • 役所は公平性を重んじるため効率が悪くなるが、民間は効率的に新しいものを取り込んでやれる。関西空港のコンセッションは、最初は評判が悪く高すぎると批判が相次いだが、オリックス・ヴァシングループに決まり成功している。是非、民間の知恵と力、資金を入れて、官と民の良いところを寄せ合わせ、発展していくことが必要。関西では、このコンセッションが成功しているといったことをもっと打ち出す必要がある。
6. 観光 ルックウェストを全面に
  • 関西はようやくまとまってきた。行政を含め一緒にやらなければという雰囲気がでてきた。現在、瀬戸内海では広島を中心にDMO(地域と協同して観光地域作りを行う法人)ができ、国や経済界中心に瀬戸内海を何とかしようという動きが出ている。IRにしろ、万博にしろ、西のリーダーとして一緒に育てていくことが必要。
  • 今まで中国、四国、九州地方と経済団体同士の会があったが、残念ながら形だけやっているという感じ。ルックウェストを全面に押し出し、共同でプロジェクトを動かすといったことが必要。例えば関空に来た人に、瀬戸内海をクルーズ船で周遊してもらう等の旅行商品をつくっていく必要がある。
  • 大阪→神戸→大分へのフェリー、クルーズ&クルーズ、フライ&クルーズといった周遊型、滞在型といった色々なパターンで人を呼び込める。4経済団体が連携してやって頂きたい。
7. 大阪湾岸臨海部開発
  • 大阪市は夢洲で3000万人の集客数を見込んでいるが、3000万人をどういう交通手段で動かすのか?
    インフラ側として検討していく必要がある。
  • 関空の旅客数は、日本人を含め2600~2700万人。あと約3割の700万人くらい余裕があると聞いている。3空港一体運営、さらなる分散化ということで対応しなければならない。
8. 文化事業戦略
  • 文化戦略は、継続して行っていくことが大切。文化と経済は表裏一体、きちっと企業が利益を出して文化事業のサポータになっていくことが大切。
9. 整備新幹線 財政投融資
  • 北陸新幹線は、札幌と敦賀と長崎が決着しないと次に回ってこない。四国新幹線も早くと声を上げている。財源については国がなんとかしてくれると思うのではなく、地元が手当てして順番が回ってきたときに返してもらうなど知恵を出す必要がある。財投などの借り入れをいろいろ提案し対応していく必要がある。待っているだけではいけない。
  • まさに今は超低金利であるのでこの機会を逃す手はない。鉄道、特に整備新幹線についても声を上げていく必要がある。
10. 相互直通 オープンアクセス
  • 大阪は鉄道の相互直通運転が少ない。東京は相直が進んだことで、鉄道インフラに対するオープンアクセスのような考え方が広く定着し共有され、都市力の強化につながっている。大阪でも使用料を払い、キャパに余裕があれば、様々な会社が鉄道インフラを利用できるというような方向性で物を考えることが必要。
  • 一から新線建設はあまり実現性がない。近鉄と阪神がやった阪神なんば線は時間短縮、乗り換え不要で90円安い。いまだに定期券のお客さんが増えていて、非常に大きな経済効果を生み出している。
  • 今後の相直の1つの候補はゲートウェイルート。神戸もほんの数百メートルの範囲に路線をつくることができ相直ができる可能性がある。色々なインフラに別の鉄道会社から乗り入れができるというような考え方が広がると、都市交通のインフラ強化につながるので、様々な方向性を探ってほしい。
11. 空港アクセスの24時間運行・高速化
  • 都市評価の中で空港アクセス交通に対する評価があまり芳しくない。なにわ筋線にJRや2つ以上の私鉄が通るという新しい対応は大変うれしいが、空港アクセスの24時間運行の問題がある。バスでもいいので関西で取り組んでほしい。また、北梅田→関空間33~34分という高い目標を作ったので、実現の方向にもっていってもらいたい。
12. ローカル交通政策・ストック効果
  • ローカル交通政策として、新大阪駅ターミナルの具体化の話を進めてもらいたい。道路アクセスに関して早めに議論することが必要。
  • 新名神の高槻からの開通によって彩都やそれ以外のストック効果も大きい。これを大きく話題にすることで相乗効果が生まれるのではないか。湾岸西伸部の話については、国際物流戦略チームが十何年前からずっと言い続け、やっと実現化した。やはり言い続けていくことが必要。この会のように大勢のステークホルダーがチームになってやっていくことが非常に大切。
13. 万博誘致のための情報発信
  • 万博の大阪誘致に対して、一般の盛り上がりが低い。うまくやるにはみんなを巻き込む等、情報発信が大事。メディアも入れてやる必要がある。こういうものを作ると皆さんの役に立つといったものを普段からPR、発信していくことが必要。
  • 最大の原因は出遅れていること。フランスはオリンピックとセットでやってきている。大阪は出遅れの中、数ケ月で20数万人の署名をもらい、短期間のわりには会員数も集まった。企業も4500社を超え、2/3は支持するといっている。来年の秋が最終決定なので、各関係団体を含め、マスコミの協力を得ながらやっていく。
  • 価値があるのは、オリンピックや万博をやる時までに、その地域でこれだけのものをやろうという合意形成ができ、実際にできること。例えば愛知万博では道路がだいぶでき、それによって愛知の今の発展の基礎ができ上がった。万博を呼んで、「元気な関西」の確たる基盤もさらにしっかりしていこうという声を各層で上げることで、盛り上がってくる。
14. 最先端技術の活用
  • 「後発者の利」。技術は開発され変わっていくため、リニアや道路も完成時期を踏まえ、そのころの最先端技術を想定し進めていかなければならない。
15. 中東の観光客とハラール
  • 中東の観光客が少ないのは、日本がハラールについての理解が薄いため。
    マレーシアのInternational Institute for Halal Research and Trainingという大きな機関で組織や企業のハラール格付をやっているが、日本企業はゼロ。何にも考えていないということ。もう1つ、都市のハラール評価までやり始めているが、日本は候補にも入っていない。世界はそういう状況になってきている。我々はハラールについて一から勉強する必要がある。
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