トップへ

委員会

第2回 関西のインフラ強化を進める会 開催日:H29.07.31(月) 開催場所:大阪キャッスルホテル

議事
1. 基調説明
「日本創生プロジェクト」
藤本 貴也 氏(JAPIC 国土・未来プロジェクト研究会委員長)
「夢ロード2050」
兼塚 卓也 氏(建設コンサルタント協会 近畿支部長)
2. 意見交換「関西のゲートウェイ機能の強化、ネットワーク整備」

1. 基調説明「夢ロード2050」講演資料(4.12MB)

兼塚 卓也 氏(建設コンサルタント協会 近畿支部長)

建設コンサルタンツ協会の近畿支部長をしております兼塚でございます。きょうは、このような機会をいただきまして、どうもありがとうございます。

きょう報告させていただくのは、お手元のほうに提言という冊子を一緒につけさせていただいているのですが、これを昨年の9月に建コン協として発表させていただきました。この中身の話を半分ほどさせていただいて、加えて、今後こんなこともやってみたいなということを後で話しさせていただきたいと思います。

1. 背景

まず、これをつくった背景ですが、前にいろいろと長い文章を書いています。下のほうですが、建コン協の近畿支部では、建設コンサルタントの立場で将来の関西の道路のあり方をいろいろと検討・研究していきたいと。それを発注者の方あるいは関係団体、一般の国民、市民の方にもいろいろなところに発信していきたいということで策定して、去年公表したものです。

2. 「提言」の公表内容について

その中身を説明させていただきたいと思います。

まず、前提として、2050年における関西のあるべき姿ということで、3枚ほどスライドをつくっていますが、まず1つは、やはり関西は一地方ではなくて、首都圏と並んで、東京一極集中の是正の受け皿となるべきだということで、関西の相対的地位の拡幅とか、歴史文化遺産などのポテンシャルを生かして成長しないといけないということがあろうかと思います。

2つ目は、2050年のあるべき姿ということで、2050年はどうなっているかということですが、先ほどの藤本さんの話にも関係しますが、下のほうに書いていますように、リニアは当然大阪までできていると。北陸新幹線も大阪まではできていると。さらに、関空から四国へ延伸ということもあるのではないかということで、いろんなところで人と物の流動が広域的になって、迅速で活発化しているのではないかと思います。

もう1つは、関西の空白地帯ということで、紀伊半島に新たな道路のインフラの提供が必要ではないかということを考えています。

提言として何点かありますが、まず最初は、前段としては、提言1として、関西の道路網の速やかな完成ということで、まずはミッシングリンクの早期解消と都市圏の料金体系のシームレス化を提言します。

このあたりは、既に事業が進んでいる部分もありますし、いろんな構想段階のもあります。特に今後は日本海側とか、あるいは南北方向の軸の強化といったところが望まれるかと思っています。  料金のシームレス化のほうは、今年度に入ってどんどん進められていますので、ここは省略させていただきたいと思います。

それから、2つ目の提言としては、既存の道路をうまいこと使いましょうということで、いろんな賢い使い方というのも提言しています。

ここでは、例えばリバーシブルレーンとか交差点のラウンドアバウトですとか、TBMの話といったところをいろんな施策を使って活用方法を提案しましょうということを提言しています。

ここからが本題ですが、提言2としては、関西の新たな道路網の構築の提案です。

関西の広域・迅速・活発化した人・ものの対流を支え、災害時の代替性を飛躍的に向上させ、地域規制緩和による新たな特区地域を包括して、人・ものの流動をスムーズにさせること期待できる中部・関西・四国連絡道路の整備を提案します。関西を中心に、東は中部、西は四国をつなぐということが重要です。

その効果ですが、この軸に道路を整備すると、関西と中部と四国との連携強化、さらに、四国・東京間の時間距離が短縮できます。それから、関西でいいますと大きな3つの環状道路が完成できます。淡路島内の高速と湾岸線で1つの環状、その外側では近畿道、さらにその外側は京奈和自動車道のルートです。また災害対応の緊急輸送路としても非常に重要ですし、紀伊半島の観光資源の活用や、関空からのアクセスといったところで観光客の誘致にも非常に効果が期待できます。これはかなりアバウトですが、事業費は約1.5兆円、その経済波及効果は約3兆円と試算しています。

それから、提言3としては、先ほど中部・関西・四国連絡道路の財源の話です。これに関しては道路整備手法ということで、こんなのが合うのではないですかという提案をしています。

やはり民間手法も活用してやらないと、国のお金だけではなかなか難しいですので、この軸で規制緩和による特区の集積ですとか、あるいは事業者への開発運営権の付与ですとか、鉄道との一体整備みたいなところを考えて何とかできないかなということを提案しています。

ということで、ここまでが昨年提言した内容で、この提言をつくるまでもいろんな方から意見をいただいています。さらにその後、新たにいろんな意見をいただいていますので、今後こんなことを提案したいと考えていることを次に報告させていただきます。

3. 今後の取組み

今後の取り組みとしては、大きく3点あります。1つは、先ほどの中部・関西・四国連絡道路、池田局長からは南海経済軸という言葉もいただきましたが、それに関して、やはり国土の利用とか、あるいは民間資本活用のあり方というところにもう少し踏み込みたいということと、紀淡海峡にしろ、なかなか実現までは遠いので、供用までの暫定的な対応みたいな話も整理したいと。2点目が、道路だけに限らず、都市における公共交通に関してもいろいろ研究したいと。それから3点目が、東西の軸はある程度強くなってくると思いますが、それを受けて今度は南北軸の強化に関する検討も行っていきたいと思っています。

1番目の南海経済軸の話は、紀淡海峡をつくれば、鳴門の橋がありますので、四国まではつながるということになります。この中で整備手法はまだいろんなことを検討していきたいのですが、ひとつ暫定的にはフェリーの活用ということも必要になってきます。今、徳島と和歌山の間には1日10便弱ぐらいの行き来があります。それから、洲本と深日港の間は、今、社会実験で船が運航されているようです。このあたりも今後どうされるのかにもよりますが、それを使って物流を強化することが当面できないか。そのためには、和歌山市側で和歌山港と阪和道の和歌山インターとのアクセス、あるいは和歌山港と第二阪和の和歌山北バイパスのアクセス等、そのあたりを考えるべきではと思っております。

それから、2点目の公共交通のネットワークと結節点の整備に関しては、これも藤本さんの話で三宮の話や京都の話もありましたが、一番大きな話は、新大阪にリニアと北陸新幹線が入ってきます。そうすると、やっぱり新大阪と梅田をどうするのか。これは当然、公共交通と道路の両方を考える必要があります。それから、鉄道に関しては関空への延伸も考える必要がありますので、なにわ筋線との絡みも含めて役割分担みたいなことをいろいろと検討すべきかと思っています。

3点目の南北軸の強化に関しては、やはり新大阪あるいは梅田から日本海側、それから紀伊半島のほうへ、南北方向に関しては高規格道路の整備もそうですけど、公共交通を利用してもらうことも考えて公共交通のネットワークとか利便性の向上あたりも含めた提案も必要かと思っております。

いろんなことを考えていくと、その前提としては、この場でも前回いろいろ議論ありましたスーパー・メガリージョンということを頭に入れておく必要があるかと思います。関西が元気になって、東京と名古屋と合わせて日本の3大都市圏が特徴を発揮して一体化することが重要かと思っております。

そのために関西圏の目指す姿ということで、LOOK WESTと言われていますが、関西を中心に中国地方・九州・四国と一体になって、西日本が1つの圏域となって日本全体を強化するというのが大事ということを考えた上でのいろんな提案が必要かと思っています。

先ほど言った話を1枚物の絵にしてみました。このあたりを使っていろいろ議論していただければと思います。山陽側には、今、国土軸があります。日本海側にも当然必要になってくると思います。それに加えて今の南海経済軸の整備です。紀淡海峡と豊予海峡のところも含めていろんな形成というあたりをいろいろ検討していきたいと思っております。これは、今、建コン協がいろいろ研究という形でやっています。ですから、官庁の方の意見をお聞きしながら民間のほうから発信していっています。今後は公共事業の進め方というのはこういうやり方も重要かと思っていますので、いろんな形で協力していきたいと思います。

最後に、これは建コン協が手弁当でいろいろ検討しているのですが、建設コンサルタントとしてはこれを仕事にしていきたいと思っております。できましたら、今後こういうものをどんどん肉づけしていくために、そのあたりもご検討いただけるとありがたいと思っています。

どうもありがとうございました。

  • Adobe Readerダウンロードサイトへ
  • PDFファイルをご覧いただくにはAdobe Readerが必要です。
    左のバナーをクリックするとAdobe Readerのダウンロードサイトへジャンプします。